私たち・生産者の取り組み
梅の生産者吉田漬物さん
ツンとした寒さが身に応える年末年始が過ぎ、2月になると道すがら梅の木にポツポツと可憐な花が咲き始めるのを見かけます。ほのかなピンク色に奥ゆかしさのあるかおり。風にのって、春のたよりを届けてくれているかのようです。
梅が咲き始めた頃、当社の梅製品を製造している梅の契約生産者の吉田さんを取材させて頂きました。
吉田さんの管理する梅林
富岡市の山間に自然と調和するように梅林がありました。群生する梅の花が目に入り遠くからでもそこであるとわかります。ここ群馬県南西部は雪が比較的少なく梅の栽培に適しているそうです。群馬県は、和歌山県に次いで日本で二番目に多く梅を出荷している梅の産地です。山の斜面にある梅の木立に入り山間の景色を眺めていると、日当たりがよく気持ちの良い風が抜けここが梅の栽培に適していることが体感できました。
枝一本一本を見極めながら剪定する吉田さん
吉田さん曰く「梅の木にはそれぞれ個性がある。いい実をつけるには剪定が肝心」とのことです。蕾を沢山つけた梅の木から一本一本に向き合い剪定している姿勢がよく伝わってきます。「収穫は一つ一つ、目で確認しながら手で摘んでいきます。収穫した青梅はすぐにアク抜きを行い、天日塩をかけて約半年程漬け込みます。時間の経過と共に梅から水分が抜け出て、水分(梅酢)に梅が浮いた状態になります。天日干しのタイミングを見計らい天日にさらし干します。」
左:収穫したての青梅 右:梅を塩漬けすると梅自身の水分で浮いてきます
屋外の天日干し場に足を踏み入れた途端、ふわっと梅の美味しそうなかおりがしました。「梅が重ならないように注意しながら並べ、梅の色や状態を見て、ひっくり返して均等に天日干ししていきます。白梅干しはこれで完成ですが、しそ梅干しはさらにこの白梅干しをしそと梅酢につけて再度天日干しをします。」と丁寧に手をかけているのが伝わりました。
しそ梅干しは二度天日干しをします。程よい色つきになったら「山野うめぼし」の完成です。
栽培方法について「農薬は使わずに植物性の肥料だけを使用する、自然農法の中でもトップクラスの農法で梅を栽培しています。栽培から製造まで安全・安心の製品です。」
花や実のつき方は木や年によって違い、今年多く実をつけた木は翌年実が少なくなることもあるそうです。そのような必ずしも一定ではない環境の中、吉田さんは安全・安心な梅を消費者に届けるため、効率を求めずに手作業で梅を生産しています。そんな吉田さんの想いが詰まった梅を使った当社製品をぜひお試しください。