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私たち・生産者の取り組み

たくあんの大根生産者川越さんを取材

川越さんの大根の櫓

漬物の消費が減り手間のかかる天日干したくあんの生産者も減ってきています。塩漬で乳酸発酵させて糠に本漬し旨味を熟成させた美味しいたくあん漬を食べて応援していただきたく、特別価格で販売します。
また、生産者について知って頂き、応援していただけたらと思い、たくあんを製造するための大根の契約生産者の一人である宮崎県の川越俊作さんに、インタビューさせていただきました。

宮崎県の大根生産者川越俊作さん生産者の川越さん。収穫した大根はたくあん用に天日干しします。

―川越さんが自然農法を志すことになったきっかけは?

バブル経済がはじけて景気が落ち込んでいた時期、世の中では環境問題や健康問題が取り上げられるようになってきていました。農業を継ぐ前は、外資系の医療品メーカーに勤めていたのですが、西洋医学では、医学で健康になるというよりも、それ以上悪くならないようにするものという考えであるということ知りました。2人に1人ががんになる、と言われるようになった時代の中で、なるべく医者に頼らない生活をしていった方がよいのでは、と考えるようになり、「本当の健康とは食」ということにいきつきました。そこで、自然農法に関心をもつことになりました。

―川越さんのご実家は代々農家とのことですが、すんなりと自然農法に移行できたのですか?

農業では、戦後の貧しい時代に「肥料」が登場したことで生産効率が上がり潤っていきました。戦前・戦後と農業の大変な時代を生きてきた祖父母や両親も、「肥料」のありがたみを享受していたため、「無農薬」という言葉を出した途端に大喧嘩となりました。ですが、父母の代と自分の代では状況は変わっており、経済の発展と共に環境が汚染され病気が増えるようになった今、状況を変えなければならない、という思いがありました。家族の理解をなかなか得られないまま、6年間くらいは揉めました。ですが、野菜がそこそこ生産できるようになり、自分の作った野菜を食べた方が「体調がよくなった」という声を聞くようになって、両親も理解してくれるようになり、今では応援してくれています。

自然農法の大根収穫された大根

―どんな土づくりを実践されているのですか?

「自然」の捉え方で全てが変わります。山は秋に紅葉して葉が落ちて、春にはまたそこに新芽がでるように自然は循環しています。その法則に従うと、外から何かを入れるということは自然ではないと考えています。ですので、無農薬はもちろん土に肥料も入れていません。畑に持ち込むのは、種と苗だけです。
畑には、以前は慣行栽培をやっていたり…とその畑の歴史があります。まずはその土を、本来の土に戻していく作業をしていきます。自然の循環の中で、土そのものがもっている本質を汚さないことが大切です。そのことで、土本来の力が発揮されます。このやり方で、害虫・病気の心配なくやれています。大根は甘味が増しています。産地で土が違うので一概には言えませんが、糖度を計ったら昔の大根よりも高かったです。
土の力が発揮されると、水はけ・水もち全てのバランスがよくなるので、台風が来ても被害は最小限にとどまっています。土自体が自分で生きているように感じます。

自然農法の畑川越さんの畑

―宮崎県は大根の生産に向いている土地なのでしょうか?

宮崎県は有数の大根の大産地です。また、干し大根には気候があっています。気候があっていないと上手く乾燥しません。

―たくあんにとって「天日干し」とはどういうものなのでしょうか?

大根を収穫したら、葉っぱを二本に結束し、洗浄して天日干しで7~8割乾燥させます。機械乾燥では味がのらず、天日干しにすることで、味が熟成され、糖度が増します。自然に乾燥させるのが一番です。

櫓を組み立てる川越さん櫓を組み大根を1本1本干していきます。

―たくあんの消費が減っていたり、後継者不足等で、大根の生産者が年々減っていると耳にします。

情報不足が原因だと思います。自然農法や有機農業が難しい、という先入観や間違った情報を多くの方がもたれているのではと感じます。今週の土日(取材当時)、マルシェを開催しますが数千人が来る予定です。また、研修生や農業をやりたい、という方が私のところに話を聞きにやってくることもあります。そうすると、「来て良かった」と言ってくれます。自然農法に関心をもっている人が多いと感じます。
自分としましては、自然農法という前にまずは野菜が美味しいと感じていただきたいですし、農業を目指される方には楽しいと思ってもらいたいです。そういう思いでずっと取り組んでいます。

―消費者の皆様にメッセージはありますか?

年々、たくあんの消費が減り、昔ながらのたくあんではなく、添加物などが加えられたたくあんも出回るようになってきました。生産者が減ってきているという現状もありますが、やっぱり日本人には味噌汁にご飯に漬け物だと思っています。それがある限り、どのようにしたらみなさんに漬け物を食べてもらえるか、美味しく食べてもらえるようにするにはどうすればよいか、ということを日頃考え取り組んでおります。

川越俊作さん

※当社のたくあんに使われている大根は、川越さんと、川越さんがとりまとめている生産者グループの大根を使用しています。そのため、農薬の使用を控えた特別栽培の大根も使用しております。

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