ヤマキ醸造の玄米味噌誕生秘話
ヤマキ醸造の玄米味噌(げんまいみそ)は今や数ある製品の中で人気一番の主力商品です。
そんな玄米味噌は、一人のお客様の声から生まれました。
昭和50年代、当時埼玉県本庄市にあったヤマキ醸造に一人のお客様が訪れました。
そのお客様は、がんを罹ったことをきっかけに食事が健康の元と食事内容を気遣うようになり、特に玄米菜食を心がけ、玄米糀の味噌を探しているとのことでした。
玄米味噌は、後で触れますが、味噌屋でも造ることが難しい味噌で、弊社の4代目も二の足を踏みましたが、そのお客様の熱意に打たれ、何度も失敗を重ねながら試行錯誤の末、やっと完成に至りました。
そんなお客様の声から生まれた玄米味噌が誕生して40年経ち、今ではヤマキ醸造の数ある味噌製品の中で押しも押されもしない看板商品になるに至りました。
さて、そんな玄米味噌ですが、なぜ造るのが難しいのでしょうか?
理由はいくつかありますが、大きく以下の理由が挙げられます。
1. 玄米は殻を被っているため麹菌(こうじきん)がつきずらく、製造に技術を要する。
2. 殻の部分の残留農薬の心配があり、信頼のある生産者からでないと原料調達ができない。
3. 殻を被っているため白米糀の味噌よりも熟成に時間が掛かり、生産効率が悪い。
また、その当時は一般的には玄米味噌は流通しておらず、仮にできたとしても買ってくれる人がいないのではないかという、心配もありました。
こうした理由から、玄米味噌は味噌屋でも二の足を踏む味噌で、企業経営(利益追求)を考えれば、手を出しずらい味噌と言えます。
しかし、そうした玄米味噌が
現在のヤマキ醸造の屋台骨を支える存在になったのは、
「お客様の健康が何よりの宝」という思い・熱意があったからと言えます。
その熱意によって、明治35年の創業以来受け継がれてきた「お客様の御用に応える蔵」の精神が動かされ、
4代目のものづくりに対するチャレンジ精神により造られた玄米味噌はやがて口コミで「ヤマキ醸造の玄米味噌はおいしい」と評判を生み、多くのファンの方々に支えられ、その後ヤマキ醸造の看板商品となっていったのです。
ヤマキ醸造の玄米味噌はまさに消費者と生産者の健康への願いが込められた味噌なのです。